神の国の福音 はじめに

2013年02月12日 09:34

「神の国の福音」を分かち合うにあたり

多くの神を信じた兄弟姉妹が、救いというあまりにも大きな主からの恵みを受けていながら、その本質を知らないために、この地で受け取れるべき祝福をほとんど受け取らないで生きているという事実を聞いたとしたら驚かれるでしょうか。
救いに含まれる恵みのただ一部分を受け取るのみで、その全体を受け取らずに生涯を歩んでいる。
それは現代のキリスト教会で語られている福音が、いつの間にかその本質的意味合いから、ごく一部分の狭い意味合いにのみ重点を置くようになったことによります。
長きに渡り、人間の知性のみによって理解しやすい聖書解釈、あるいは生活に実際的な側面だけを着目する信仰姿勢により、永遠の命を与えられた者にだけ理解することができる、神にある永遠不変の価値観および視点というものを軽視して教会の歴史が進んできたためと言えるでしょう。
それはまさに福音の本質から目を閉ざした教会が眠りについている姿(たとえばマタイ25:1-13の居眠りをする十人のおとめの話)。
聖書は何度も私達に目を覚ましていなさいと語りかけていますが、それは後の時代に教会がこのように寝てしまっている姿を、主イエスはすでに見ていたからだと言えるのです。
福音をもしも、日常の諸問題の解決法や人生訓を信仰から得ているといったような、あるいは個々の教会の運営を信仰的生活と考えているのであれば、たとえ主イエスキリストの十字架の死と復活が福音の中心だと言ったとしても、やはりかなり狭い意味でしか福音を捉えていないということになるでしょう。
地上における諸々の日常的祝福が私達に与えられている祝福の全てではありません。
いや、地上の祝福を全て受け取ったとしてもそれでさえ、私達に与えられている祝福の全体ではないのです。
主は天上における祝福を既に天地万物が創造される以前から、あなたが地上に生まれる遥か以前から与えておられるのです。

【エペソ1:3-5】
神はキリストにあって、天上で霊のもろもろの祝福をもって、わたしたちを祝福し、
みまえにきよく傷のない者となるようにと、天地の造られる前から、キリストにあってわたしたちを選び、
わたしたちに、イエス・キリストによって神の子たる身分を授けるようにと、御旨のよしとするところに従い、愛のうちにあらかじめ定めて下さったのである。

つまり、地上の祝福のみならず、天上における祝福も本来すでにあなたには与えられているというのです。天上の祝福とはいかに絶大なものでしょうか。これに比べれば、地上の祝福すべてを受け取ってさえ、遥かにその一部分に過ぎません。想像もつかないような絶大なものが私達にすでに与えられているとしたら、私達はいかにその宝を土に埋めたまま受け取らずに人生を歩んで行くことでしょうか。
まだピンと来られていない方もいらっしゃるでしょうか。
例えていうなら、救いを受けて、とても綺麗な部屋が与えられた。部屋は日常生活を送るには支障のない大きさであり、とても綺麗にされていたので、その中を綺麗に保つように生活を続けていた。日常に不便となるようなことはなく、すべてはその中に揃えられていた。
しかし、その人は自分が与えられているものがその部屋のさらに向こう側へと続く扉の向こうにあるとは考えていなかった。
この扉の向こうには王宮があり、それがその人に与えられているものであった。
つまり、その人が救いを受けて与えられていると思い込んでいたあの綺麗な部屋は、その人が与えられている王宮自体の玄関の間に過ぎなかったのである。
その人は王宮で受け取るべき生活も、またそこで与えられている王族としての身分も、だからこそ与えられている王族としての使命たる働きも、何も受け取って来なかったのである。

【1ペテロ2:9,10】※新改訳
しかし、あなたがたは、選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民です。それは、あなたがたを、やみの中から、ご自分の驚くべき光の中に招いてくださった方のすばらしいみわざを、あなたがたが宣べ伝えるためなのです。
あなたがたは、以前は神の民ではなかったのに、今は神の民であり、以前はあわれみを受けない者であったのに、今はあわれみを受けた者です。

私達にはこの王宮に進み入り、受け取るべきものがあるばかりか、"選ばれた種族、王である祭司、聖なる国民、神の所有とされた民"として、すべきことが地上にあります。
どのようにあなたの人生を全うすべきかは自由です。
しかし、まだあなたが与えられているものがいかなるものかを全く知らずに歩んでおられるのであれば、その扉を開けて王宮を見る必要があります。
そして、これから皆さんと分かち合うことが、その扉を開ける手助けとなることを、私は心から願います。

【エペソ1:17-19】
どうか、わたしたちの主イエス・キリストの神、栄光の父が、知恵と啓示との霊をあなたがたに賜わって神を認めさせ、
あなたがたの心の目を明らかにして下さるように、そして、あなたがたが神に召されていだいている望みがどんなものであるか、聖徒たちがつぐべき神の国がいかに栄光に富んだものであるか、
また、神の力強い活動によって働く力が、わたしたち信じる者にとっていかに絶大なものであるかを、あなたがたが知るに至るように、と祈っている。