滅び行く国のために

2015年07月30日 20:54

【ヨナ4:1-11】
4:1 ところがヨナはこれを非常に不快として、激しく怒り、
4:2 主に祈って言った、「主よ、わたしがなお国におりました時、この事を申したではありませんか。それでこそわたしは、急いでタルシシにのがれようとしたのです。なぜなら、わたしはあなたが恵み深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災を思いかえされることを、知っていたからです。
4:3 それで主よ、どうぞ今わたしの命をとってください。わたしにとっては、生きるよりも死ぬ方がましだからです」。
4:4 主は言われた、「あなたの怒るのは、よいことであろうか」。
4:5 そこでヨナは町から出て、町の東の方に座し、そこに自分のために一つの小屋を造り、町のなりゆきを見きわめようと、その下の日陰にすわっていた。
4:6 時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。
4:7 ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。
4:8 やがて太陽が出たとき、神が暑い東風を備え、また太陽がヨナの頭を照したので、ヨナは弱りはて、死ぬことを願って言った、「生きるよりも死ぬ方がわたしにはましだ」。
4:9 しかし神はヨナに言われた、「とうごまのためにあなたの怒るのはよくない」。ヨナは言った、「わたしは怒りのあまり狂い死にそうです」。
4:10 主は言われた、「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。
4:11 ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか」。

私達のこの国が幾度もの宣教の機会を与えられながら、福音を受け入れなかったことは、主の宣教への思いを少しでも持つ者であれば誰でも深く悲しむべきことでしょう。
確かに長きに渡り語りかけて来た言葉は、今は都合良く文化や思想、宗教というカテゴライズの中ではうまく収まりを得ていますが、主イエスを信じるという面において、拒絶されたまま幾世紀の時間が流れました。
ですから、この福音を拒絶する厚い壁の前に、この国にリバイバルなど起きないとあきらめてしまう兄弟姉妹がいる、その気持ちも人の目においてはわからないではありません。
現にそのようなことは夢物語で、健全な信仰や教会生活を騒がせる無益な言葉のように語られることも決して少ないことではありませんし、この国のリバイバルを確信している人は本当に少なくなっていることでしょう。
やがて教会というコミュニティーが充実することや、自分達の生活の安定、その上での信仰を守って行く生活と言ったことが教会の主な目的となり、健やかな信仰生活ばかりを求めるあまり、神の深い思いがどこにあるのか、教会の真の目的を忘れた姿が現在の標準的な教会なのかも知れません。
そして、遠くから滅び行くこの国を自らの満足を望んで眺めている。
とうごまの日陰の中に座るヨナの姿を今日の日本の教会の姿に重ね、主は私達に今語りかけておられます。

ヨナが遣わされた当時のニネベは、やがてまもなく北イスラエル王国を滅ぼさんとするアッスリアの首都であり、アッスリアは人の罪の残虐性を如実に現した、想像を絶する拷問や虐殺を行う国でした。
ですから、ヨナはニネベに行くことを拒んだのです。
イスラエルの最も脅威であるアッスリアの首都に、なぜ滅びから立ち返り神の前に悔い改めることを語らなければならないのか。
彼はその結果を知っていました。(1-3節)
「なぜなら、わたしはあなたが恵み深い神、あわれみあり、怒ることおそく、いつくしみ豊かで、災を思いかえされることを、知っていたからです。(3節)」
ニネベが神の前に立ち返り悔い改めるなら、いかに罪深きニネベでも主は滅びを止められることを知っていた。
いや主がヨナに語れと言われた時、ニネベが立ち返ること自体が神の計画にあることを、ヨナは知っていたのでしょう。
しかし主の思いはさらに遙かに深いものでした。
「あなたは労せず、育てず、一夜に生じて、一夜に滅びたこのとうごまをさえ、惜しんでいる。
ましてわたしは十二万あまりの、右左をわきまえない人々と、あまたの家畜とのいるこの大きな町ニネベを、惜しまないでいられようか(10,11節)」
主のこの思いは滅び行くニネベを惜しみあわれむ神の断腸の思いです。
主が裁きを下される時、神は本来なら愛し愛されるべき人間を、自らの手で断腸の悲しみの中に滅ぼすのです。
だからこそ、主の真の思いはいつも「あなたは彼らに言え、主なる神は言われる、わたしは生きている。わたしは悪人の死を喜ばない。むしろ悪人が、その道を離れて生きるのを喜ぶ。あなたがたは心を翻せ、心を翻してその悪しき道を離れよ。[中略]あなたはどうして死んでよかろうか。(エゼキエル33:11)」なのです。

【列王記下14:23-27】
14:23 ユダの王ヨアシの子アマジヤの第十五年に、イスラエルの王ヨアシの子ヤラべアムがサマリヤで王となって四十一年の間、世を治めた。
14:24 彼は主の目の前に悪を行い、イスラエルに罪を犯させたネバテの子ヤラベアムの罪を離れなかった。
14:25 彼はハマテの入口からアラバの海まで、イスラエルの領域を回復した。イスラエルの神、主がガテヘペルのアミッタイの子である、そのしもべ預言者ヨナによって言われた言葉のとおりである。
14:26 主はイスラエルの悩みの非常に激しいのを見られた。そこにはつながれた者も、自由な者もいなくなり、またイスラエルを助ける者もいなかった。
14:27 しかし主はイスラエルの名を天が下から消し去ろうとは言われなかった。そして彼らをヨアシの子ヤラベアムの手によって救われた。

ヨナの思いを知る神はイスラエルを、悪い王であるヤロブアム(2世)の悪のゆえに滅ぼすのではなく、このヤロブアムをもってさえもアッスリアの支配から多くの地を取り返し(列王記下14:25)、実にここに語られた領土はソロモンの時代の広大な領土に匹敵する大きさにまでイスラエルの地を回復したのです。
そして「イスラエルの神、主がガテヘペルのアミッタイの子である、そのしもべ預言者ヨナによって言われた言葉のとおりである。(列王記下14:25)」と、主がヨナの語った言葉に満足されたことを聖書は静かに語るのです。

この国が如何に罪深く、主を退け、福音を語る者や、社会において自らの信仰を表明する者を如何に迫害してきたとしても、主はこの国が滅びることを今まさに惜しんでおられるのです。
そして私達の思いも、また私達が主の御言葉に従い宣教を続けてきたことも充分承知されています。
リバイバルを祈り続け、疲れ果てて、やがて今のような日本の教会の姿となったことも。
だからこそ、今私達が私達の事情や思いの全てを置いて、再び主の御心に答えることを主は望んでおられるのです。
この国はおよそここ5年程前から全ての現実が激変してきています。
それは私達がそれまで過ごしてきた平和な時代とは異なる、私達(この国)が罪を重ね続けてきた、誤った選択の数々がゆえに滅びを迎える直前にまで来ているということを現す現実です。
また神を退けて掛け違え続け、重ね続けた罪の結果、この国はこれからおよそ5年程以降で次々に解決できない問題が襲い、人の力では何一つ解決する見込みが立たず、滅びを迎えることは夢物語ではなく、人間的に容易に予測できる現実となっているのです。
それでも私達はこの現実に目を背け、神にとりなしを祈ることを忘れ続けるでしょうか。
私達の平和な毎日だけを、神の断腸の思いを退け、求め続けるでしょうか。
私達のために実に十字架にかかり、命を与えるほどに愛した主イエスの愛が、滅び行くこの国の一人一人の魂を求め、「わたしは、かわく(ヨハネ19:28)」と十字架の上で言われたように、今も渇き続けておられることを、なおも私達は無視できるでしょうか。
いいえ、主に救われ主の愛を知った私達が、どうして主を愛さないでいられましょう。
この方が渇くのに私達が渇かないでいられましょう。
この方にしか救いがないのに、どうしてこの滅び行く国のために、主の名を呼ばないでいられましょうか。
主の名を呼ぶなら、主は必ず答えられ、ご自身を求める者に必ず主はご自身を現され、そこに臨まれる(ご臨在される)のです。
ならばこの国に主が臨むようにどうして主の名を呼ばないでいられましょうか。「すべて主の名を呼ぶ者は救われる(ヨエル2:32)」のです。
主が臨まれる時、人々は初めて主の霊により罪が刺され、悔い改め、やがてその悔い改めが波となって地を覆うようになるのです。(ルカ24:47)
そして悔い改めた民を、その地を、主は癒され、祝福を回復して下さるのです。(申命記30:1ー10)
人が重ねた掛け違いを主はこのように、主が臨むことでしかできない方法で回復してくださるのです。
これこそがリバイバルです。
もはや人の力が如何に無力でその知恵が如何に愚かであったかが露わにされた今、主のリバイバルを、主の名を呼ぶことをどうして無意味ということができましょうか。
今こそ主の名を呼び、この国のために救いを求める時ではないでしょうか。
さあ、共にこの国のリバイバルのために心から祈りましょう。

※今日の聖書の引用箇所です。ご参照ください。

【ヨエル2:28-32】
2:28 その後わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ。あなたがたのむすこ、娘は預言をし、あなたがたの老人たちは夢を見、あなたがたの若者たちは幻を見る。
2:29 その日わたしはまたわが霊をしもべ、はしために注ぐ。
2:30 わたしはまた、天と地とにしるしを示す。すなわち血と、火と、煙の柱とがあるであろう。
2:31 主の大いなる恐るべき日が来る前に、日は暗く、月は血に変る。
2:32 すべて主の名を呼ぶ者は救われる。

【ルカ24:45-49】
24:45 そこでイエスは、聖書を悟らせるために彼らの心を開いて
24:46 言われた、「こう、しるしてある。キリストは苦しみを受けて、三日目に死人の中からよみがえる。
24:47 そして、その名によって罪のゆるしを得させる悔改めが、エルサレムからはじまって、もろもろの国民に宣べ伝えられる。
24:48 あなたがたは、これらの事の証人である。
24:49 見よ、わたしの父が約束されたものを、あなたがたに贈る。だから、上から力を授けられるまでは、あなたがたは都にとどまっていなさい」。

【申命記30:1ー10】
30:1 わたしがあなたがたの前に述べたこのもろもろの祝福と、のろいの事があなたに臨み、あなたがあなたの神、主に追いやられたもろもろの国民のなかでこの事を心に考えて、
30:2 あなたもあなたの子供も共にあなたの神、主に立ち帰り、わたしが、きょう、命じるすべてのことにおいて、心をつくし、精神をつくして、主の声に聞き従うならば、
30:3 あなたの神、主はあなたを再び栄えさせ、あなたをあわれみ、あなたの神、主はあなたを散らされた国々から再び集められるであろう。
30:4 たといあなたが天のはてに追いやられても、あなたの神、主はそこからあなたを集め、そこからあなたを連れ帰られるであろう。
30:5 あなたの神、主はあなたの先祖が所有した地にあなたを帰らせ、あなたはそれを所有するに至るであろう。主はまたあなたを栄えさせ、数を増して先祖たちよりも多くされるであろう。
30:6 そしてあなたの神、主はあなたの心とあなたの子孫の心に割礼を施し、あなたをして、心をつくし、精神をつくしてあなたの神、主を愛させ、こうしてあなたに命を得させられるであろう。
30:7 あなたの神、主はまた、あなたを迫害する敵と、あなたを憎む者とに、このもろもろののろいをこうむらせられるであろう。
30:8 しかし、あなたは再び主の声に聞き従い、わたしが、きょう、あなたに命じるすべての戒めを守るであろう。
30:9 そうすればあなたの神、主はあなたのするすべてのことと、あなたの身から生れる者と、家畜の産むものと、地に産する物を豊かに与えて、あなたを栄えさせられるであろう。すなわち主はあなたの先祖たちを喜ばれたように再びあなたを喜んで、あなたを栄えさせられるであろう。
30:10 これはあなたが、あなたの神、主の声に聞きしたがい、この律法の書にしるされた戒めと定めとを守り、心をつくし、精神をつくしてあなたの神、主に帰するからである。