試練を超えた望み

2015年01月30日 12:51

【ヤコブ1:9-18】
1:9 低い身分の兄弟は、自分が高くされたことを喜びなさい。
1:10 また、富んでいる者は、自分が低くされたことを喜ぶがよい。富んでいる者は、草花のように過ぎ去るからである。
1:11 たとえば、太陽が上って熱風をおくると、草を枯らす。そしてその花は落ち、その美しい姿は消えうせてしまう。それと同じように、富んでいる者も、その一生の旅なかばで没落するであろう。
1:12 試錬を耐え忍ぶ人は、さいわいである。それを忍びとおしたなら、神を愛する者たちに約束されたいのちの冠を受けるであろう。
1:13 だれでも誘惑に会う場合、「この誘惑は、神からきたものだ」と言ってはならない。神は悪の誘惑に陥るようなかたではなく、また自ら進んで人を誘惑することもなさらない。
1:14 人が誘惑に陥るのは、それぞれ、欲に引かれ、さそわれるからである。
1:15 欲がはらんで罪を生み、罪が熟して死を生み出す。
1:16 愛する兄弟たちよ。思い違いをしてはいけない。
1:17 あらゆる良い贈り物、あらゆる完全な賜物は、上から、光の父から下って来る。父には、変化とか回転の影とかいうものはない。
1:18 父は、わたしたちを、いわば被造物の初穂とするために、真理の言葉によって御旨のままに、生み出して下さったのである。

人が試練に会う、その最も大きな理由は、朽ちるものから目を離させ、朽ちないものに目を向けさせるためです。
なぜなら、私達はいずれこの朽ちる世界から、朽ちない世界へと入れられる、天の御国に入り、御国を受け継ぐことになるからです。(これは天国に住まうことばかりではなく、天国が私達の嗣業、相続地として与えられているとまで約束されているのです。)

【1コリント15:50】
15:50 兄弟たちよ。わたしはこの事を言っておく。肉と血とは神の国を継ぐことができないし、朽ちるものは朽ちないものを継ぐことがない。

ですから、この地上でどれほどに富んでいたとしても、それらのものは消え去るものであり、天の御国に入れられるときにはそれらの朽ちるものは何一つ携えて行くことができません。
逆に、たとえこの地で貧しくとも神を頼りとし、神に飢え渇いて神ご自身を求め、神のあわれみを受けて、キリストの豊かさに満たされて生きるのであれば、天の御国においては富んだ者とされるのです。

【マタイ5:3】
5:3 「こころの貧しい人たちは、さいわいである、天国は彼らのものである。

なぜなら、そのような者には神の国そのものが与えられるからです。
ですから、この地の豊かさ、この世が与える富か、天にある富を見て生きるのか、「宝のある所には、心もある(マタイ6:21)」。
私達がこの地を去ることは全ての者に定められていることですが、そのとき永遠という中で私達が富む者であるのか、朽ちるものを全て失い何も持たない者として永遠を生きるのかは、実は想像以上に大きな問題です。
ですから、信仰が成長する過程においては、この価値が逆転すること、地上の価値観ではなく天の価値観で生きることは大きな課題です。

【ヘブル5:12-6:1】
5:12 あなたがたは、久しい以前からすでに教師となっているはずなのに、もう一度神の言の初歩を、人から手ほどきしてもらわねばならない始末である。あなたがたは堅い食物ではなく、乳を必要としている。
5:13 すべて乳を飲んでいる者は、幼な子なのだから、義の言葉を味わうことができない。
5:14 しかし、堅い食物は、善悪を見わける感覚を実際に働かせて訓練された成人のとるべきものである。
6:1 そういうわけだから、わたしたちは、キリストの教の初歩をあとにして、完成を目ざして進もうではないか。

しかし、目の前にあるものに心奪われ易い私達には、この地の富を持ち、神に飢え渇く必要のないほど豊かなことは、神の国に入ることを難しくさせる(マタイ19:23)のです。
ですから、試練が私達の信仰を成長させるものとして存在するのです。

【ヤコブ1:2-4】
1:2 わたしの兄弟たちよ。あなたがたが、いろいろな試錬に会った場合、それをむしろ非常に喜ばしいことと思いなさい。
1:3 あなたがたの知っているとおり、信仰がためされることによって、忍耐が生み出されるからである。
1:4 だから、なんら欠点のない、完全な、でき上がった人となるように、その忍耐力を十分に働かせるがよい。

【1ペテロ1:7】
1:7 こうして、あなたがたの信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。

私達の欲望は罪を生み出し、死に至る(ヤコブ1:15)しかありませんが、神が私達に与えようとされているのは父から与えられる永遠に変わることのないもの(ヤコブ1:17)、私達「のために天にたくわえてある、朽ちず汚れず、しぼむことのない(受け継ぐべき)資産(1ペテロ1:4)」なのです。
朽ちるものは精錬される中で取り除かれ、永遠に朽ちないものを受け取るために永遠に朽ちない信仰を得る(1ペテロ1:7)べきなのです。
それが、主が私達に望まれること、だから試練をも喜べ(ヤコブ1:2)と主は語られているのです。
神に近づこうとする者、神のために生きることを望む者には、神は試練を与えます。
それは主がこの地、この世では与えられない、想像を超えた神の絶大な富を得させようと、人の理解を超えた神の壮大な愛を、そこに注いでおられるからです。
試練に会うとき、ただ意気消沈してはいけません。それを逃れることのみを願って、主の得させようとするものを何もわからず、ただ苦しみ、時として神に不満や疑問などを持って生きても、無意味に時をやり過ごそうとしているに過ぎません。
「神のなされることは皆その時にかなって美し(伝道者3:11)」く、必ず豊かな恵みに溢れる意味があるのです。

【ヘブル12:3-12】
12:3 あなたがたは、弱り果てて意気そそうしないために、罪人らのこのような反抗を耐え忍んだかたのことを、思いみるべきである。
12:4 あなたがたは、罪と取り組んで戦う時、まだ血を流すほどの抵抗をしたことがない。
12:5 また子たちに対するように、あなたがたに語られたこの勧めの言葉を忘れている、「わたしの子よ、主の訓練を軽んじてはいけない。主に責められるとき、弱り果ててはならない。
12:6 主は愛する者を訓練し、受けいれるすべての子を、むち打たれるのである」。
12:7 あなたがたは訓練として耐え忍びなさい。神はあなたがたを、子として取り扱っておられるのである。いったい、父に訓練されない子があるだろうか。
12:8 だれでも受ける訓練が、あなたがたに与えられないとすれば、それこそ、あなたがたは私生子であって、ほんとうの子ではない。
12:9 その上、肉親の父はわたしたちを訓練するのに、なお彼をうやまうとすれば、なおさら、わたしたちは、たましいの父に服従して、真に生きるべきではないか。
12:10 肉親の父は、しばらくの間、自分の考えに従って訓練を与えるが、たましいの父は、わたしたちの益のため、そのきよさにあずからせるために、そうされるのである。
12:11 すべての訓練は、当座は、喜ばしいものとは思われず、むしろ悲しいものと思われる。しかし後になれば、それによって鍛えられる者に、平安な義の実を結ばせるようになる。
12:12 それだから、あなたがたのなえた手と、弱くなっているひざとを、まっすぐにしなさい。

どうか、この試練の先にある神の栄光を望み見て、もう一度しっかりと立ち、主の道を、「信仰の導き手であり、またその完成者であるイエスを仰ぎ見つつ、走ろうでは(ヘブル12:2)」ありませんか。
あなたの歩む先には大いなる神の栄光が待っているのですから。

【2コリント4:17,18】
4:17 なぜなら、このしばらくの軽い患難は働いて、永遠の重い栄光を、あふれるばかりにわたしたちに得させるからである。
4:18 わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠につづくのである。

※今日の聖書の引用箇所です。ご参照ください。

【マタイ6:19-21】
6:19 あなたがたは自分のために、虫が食い、さびがつき、また、盗人らが押し入って盗み出すような地上に、宝をたくわえてはならない。
6:20 むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に、宝をたくわえなさい。
6:21 あなたの宝のある所には、心もあるからである。

【マタイ19:21-26】
19:21 イエスは彼に言われた、「もしあなたが完全になりたいと思うなら、帰ってあなたの持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に宝を持つようになろう。そして、わたしに従ってきなさい」。
19:22 この言葉を聞いて、青年は悲しみながら立ち去った。たくさんの資産を持っていたからである。
19:23 それからイエスは弟子たちに言われた、「よく聞きなさい。富んでいる者が天国にはいるのは、むずかしいものである。
19:24 また、あなたがたに言うが、富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい」。
19:25 弟子たちはこれを聞いて非常に驚いて言った、「では、だれが救われることができるのだろう」。
19:26 イエスは彼らを見つめて言われた、「人にはそれはできないが、神にはなんでもできない事はない」。

【1ペテロ1:3-7】
1:3 ほむべきかな、わたしたちの主イエス・キリストの父なる神。神は、その豊かなあわれみにより、イエス・キリストを死人の中からよみがえらせ、それにより、わたしたちを新たに生れさせて生ける望みをいだかせ、
1:4 あなたがたのために天にたくわえてある、朽ちず汚れず、しぼむことのない資産を受け継ぐ者として下さったのである。
1:5 あなたがたは、終りの時に啓示さるべき救にあずかるために、信仰により神の御力に守られているのである。
1:6 そのことを思って、今しばらくのあいだは、さまざまな試錬で悩まねばならないかも知れないが、あなたがたは大いに喜んでいる。
1:7 こうして、あなたがたの信仰はためされて、火で精錬されても朽ちる外はない金よりもはるかに尊いことが明らかにされ、イエス・キリストの現れるとき、さんびと栄光とほまれとに変るであろう。