小さく賢いもの

2014年09月04日 16:04

【箴言30:21-28】
30:21 地は三つのことによって震う、いや、四つのことによって、耐えることができない。
30:22 すなわち奴隷たる者が王となり、愚かな者が食物に飽き、
30:23 忌みきらわれた女が嫁に行き、はしためが女主人のあとにすわることである。
30:24 この地上に、小さいけれども、非常に賢いものが四つある。
30:25 ありは力のない種類だが、その食糧を夏のうちに備える。
30:26 岩だぬきは強くない種類だが、その家を岩につくる。
30:27 いなごは王がないけれども、みな隊を組んでいで立つ。
30:28 やもりは手でつかまえられるが、王の宮殿におる。

この地にあるこの世の国は、人の知恵と力により、治めようとするものであり、その全ては己の心から発するものを形とするもの、どれほど人が理想を求めても、そこに善は存在しません。
「心はよろずの物よりも偽るもので、はなはだしく悪に染まっている。だれがこれを、よく知ることができようか。(エレミヤ17:9)」とある通り、人の心が偽りであるので、はなはだしく悪に染まった社会しか作り出すことができません。
「主を恐れることは知識のはじめである、愚かな者は知恵と教訓を軽んじる。(箴言1:7)」「主を恐れることは知恵のもとである、聖なる者を知ることは、悟りである。(箴言9:10)」からこそ、神を恐れないこの世は神の知恵がなく、愚かなことを繰り返すしかありません。
国を統治するのはその国の主権を持つ者ですが、最初に権力を持つニムロデの時代(創世記10:8-12)から、人は同じ構造を繰り返しています。
権力により支配をする構造。
それにより人は一つになろうとするため、自らの力と知恵で高い塔を作り、高みを望む者達が心一つにして、その支配の塔を作ろうとするのです。

【創世記11:3,4】
11:3 彼らは互に言った、「さあ、れんがを造って、よく焼こう」。こうして彼らは石の代りに、れんがを得、しっくいの代りに、アスファルトを得た。
11:4 彼らはまた言った、「さあ、町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。そしてわれわれは名を上げて、全地のおもてに散るのを免れよう」。

これこそがバベルの塔であり、このように人がひとつになって、神を離れ、自らの知恵と力により、神に逆らってこの地を治めようとする者達の集大成。
この高き塔こそ、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう(ルカ4:6,7)」というサタンの誘惑のささやきを聞く場所なのです。
主はこの人の力に「彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。(創世記11:6)」と語り、神ご自身が人に自らの似姿(創世記1:27)の内に与えた人の力を打ち砕くため、「彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」と心を一つにできなくし、力を分散させようとしました。
神に逆らって、自らの欲求の満足とそこに至る自己達成のために発揮する人の力は神が危惧するほどに、これほどに強いものなのです。
これがバビロンの起こりです。
そして、これがイスラエルを捕囚することとなる大帝国バビロンに繋がるものであり、やがて大淫婦と言われる「大いなるバビロン、淫婦どもと地の憎むべきものらとの母(黙示録17:5)」の姿、「大いなる都、不落の都、バビロン(黙示録18:10)」となるものなのです。
つまり人の世の歴史には、連綿とこの人の作り出した、人の知恵と力の支配の結晶であるバビロンが存在するのです。
そしてこのバビロンを神は忌み嫌われ、幾度もその歴史の中で打ち砕かれているのです。
さらに神は、その支配と権威の構造ごと、十字架により打ち砕き、全てを主イエスキリストの足の下に置かれました。

【エペソ】
1:20 神はその力をキリストのうちに働かせて、彼を死人の中からよみがえらせ、天上においてご自分の右に座せしめ、
1:21 彼を、すべての支配、権威、権力、権勢の上におき、また、この世ばかりでなくきたるべき世においても唱えられる、あらゆる名の上におかれたのである。
1:22 そして、万物をキリストの足の下に従わせ、彼を万物の上にかしらとして教会に与えられた。

【コロサイ】
2:14 神は、わたしたちを責めて不利におとしいれる証書を、その規定もろともぬり消し、これを取り除いて、十字架につけてしまわれた。
2:15 そして、もろもろの支配と権威との武装を解除し、キリストにあって凱旋し、彼らをその行列に加えて、さらしものとされたのである。

このように、人の世は支配と権力を奪い合い、こうしてこれまで多くの国々が歴史の中に生まれてきたのです。
神は初めから人の愚かさではなく、神ご自身の知恵によりこの地を治めることを望んでおられたのに。

【箴言8:5-17】
8:5 思慮のない者よ、悟りを得よ、愚かな者よ、知恵を得よ。
8:6 聞け、わたしは高貴な事を語り、わがくちびるは正しい事を語り出す。
8:7 わが口は真実を述べ、わがくちびるは悪しき事を憎む。
8:8 わが口の言葉はみな正しい、そのうちに偽りと、よこしまはない。
8:9 これはみな、さとき者の明らかにするところ、知識を得る者の正しとするところである。
8:10 あなたがたは銀を受けるよりも、わたしの教を受けよ、精金よりも、むしろ知識を得よ。
8:11 知恵は宝石にまさり、あなたがたの望むすべての物は、これと比べるにたりない。
8:12 知恵であるわたしは悟りをすみかとし、知識と慎みとをもつ。
8:13 主を恐れるとは悪を憎むことである。わたしは高ぶりと、おごりと、悪しき道と、偽りの言葉とを憎む。
8:14 計りごとと、確かな知恵とは、わたしにある、わたしには悟りがあり、わたしには力がある。
8:15 わたしによって、王たる者は世を治め、君たる者は正しい定めを立てる。
8:16 わたしによって、主たる者は支配し、つかさたる者は地を治める。
8:17 わたしは、わたしを愛する者を愛する、わたしをせつに求める者は、わたしに出会う。

だから、今日の御言葉のごとく、罪の奴隷たる者が王となり、神の知恵を持たない愚かな者が自らの欲望を満足させるために生きる世を、神は耐えることができないと語り、地は震うと言うのです。

【箴言30:21-23】
30:21 地は三つのことによって震う、いや、四つのことによって、耐えることができない。
30:22 すなわち奴隷たる者が王となり、愚かな者が食物に飽き、
30:23 忌みきらわれた女が嫁に行き、はしためが女主人のあとにすわることである。

そして、バビロンに属するもの大淫婦たるものが、「地の王たちは彼女と姦淫を行い、地上の商人たちは、彼女の極度のぜいたくによって富を得(黙示録18:3)」て、「彼女が自ら高ぶり、ぜいたくをほしいままにし(黙示録18:7)」て、「心の中で『わたしは女王の位についている者であって、やもめではないのだから、悲しみを知らない』と言(黙示録18:7)」うことを忌み嫌うのです。

神はこのようなこの世の歴史に、明確な区切りをつけられることを語られました。
神の国がこの地の国々を打ち砕いて、全地を支配するという計画です。
それがダニエルが解き明かしたネブカデネザル王の夢の内容(ダニエル2:31-45)です。
歴史を動かす大きな中心的国家、バビロン、ペルシャ、ギリシャ、ローマ、そしてローマの影響を大きく残した現代。
その全ての国々の支配を超えて神の国は全地を統べ治め、やがてこれらの国々を打ち破って完全なる神の永遠の統治がこの地に到来することを預言したのがこの夢でした。

【ダニエル2:44】
2:44 それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。

つまりこれこそが神の壮大な歴史における神の計画であり、私達はこの神の国に国籍を持ち、この地にこの計画を成就するために遣わされた者達なのです。
ですから、私達がこの地に染まり、この世の支配にひざをかがめ、大淫婦の仲間として、生きることはサタンに属し神の選びから自ら出て滅びに向かうことであり、愚かな生き方なのです。
私達はそのようなことをする必要は全くなく、救われた時から、キリストと共にこの地を統べ治める者として、始めからキリストの花嫁とされているのです。
大バビロンという都ではなく、私達こそ神の住まう神の国の永遠の都、新エルサレムなのです。
だからこそ、私達はそれにふさわしい賢い歩みをこの地上でもすべきなのです。
それが今日の御言葉の後半部分です。

【箴言30:24-28】
30:24 この地上に、小さいけれども、非常に賢いものが四つある。
30:25 ありは力のない種類だが、その食糧を夏のうちに備える。
30:26 岩だぬきは強くない種類だが、その家を岩につくる。
30:27 いなごは王がないけれども、みな隊を組んでいで立つ。
30:28 やもりは手でつかまえられるが、王の宮殿におる。

私達にこの地上では力はなくとも、神の国の到来を望んで今からそれに備え(25節)、決して揺るぐことのない信仰の岩(マタイ16:18)の上、御言葉の岩(ルカ6:48)の上、キリストの土台(1コリント3:11)の上に家を建てる(26節)。
王なるキリストはこの地上にはおられず天に居られるけれども、 私達はキリストの体、教会として一つとなってこの地上で生き、またこの世に出て行き(27節)、地には居るけれど、その霊において、常に王なるキリストの御前、天の御座のある王の宮殿に永遠に住まう。
そのような生き方を主は小さいけれども、非常に賢いものの生き方として語られているのです。

愛する兄弟姉妹。私達も世に惑わされてすでに得ている神の祝福を失うことなく、たゆむことなく、「後のものを忘れ、前のものに向かってからだを伸ばしつつ、目標を目ざして走り、キリスト・イエスにおいて上に召して下さる神の賞与を得ようと努めて(ピリピ3:13,14)」いこうではありませんか。

※今日の引用箇所です。ご参照ください。

【創世記10:8-12】
10:8 クシの子はニムロデであって、このニムロデは世の権力者となった最初の人である。
10:9 彼は主の前に力ある狩猟者であった。これから「主の前に力ある狩猟者ニムロデのごとし」ということわざが起った。
10:10 彼の国は最初シナルの地にあるバベル、エレク、アカデ、カルネであった。
10:11 彼はその地からアッスリヤに出て、ニネベ、レホボテイリ、カラ、
10:12 およびニネベとカラとの間にある大いなる町レセンを建てた。

【マタイ16:15-18】
16:15 そこでイエスは彼らに言われた、「それでは、あなたがたはわたしをだれと言うか」。
16:16 シモン・ペテロが答えて言った、「あなたこそ、生ける神の子キリストです」。
16:17 すると、イエスは彼にむかって言われた、「バルヨナ・シモン、あなたはさいわいである。あなたにこの事をあらわしたのは、血肉ではなく、天にいますわたしの父である。
16:18 そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。黄泉の力もそれに打ち勝つことはない。

【ルカ6:47,48】
6:47 わたしのもとにきて、わたしの言葉を聞いて行う者が、何に似ているか、あなたがたに教えよう。
6:48 それは、地を深く掘り、岩の上に土台をすえて家を建てる人に似ている。洪水が出て激流がその家に押し寄せてきても、それを揺り動かすことはできない。よく建ててあるからである。

【1コリント3:11】
3:11 なぜなら、すでにすえられている土台以外のものをすえることは、だれにもできない。そして、この土台はイエス・キリストである。

【ダニエル】
2:31 王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。
2:32 その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹と、ももとは青銅、
2:33 すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。
2:34 あなたが見ておられたとき、一つの石が人手によらずに切り出されて、その像の鉄と粘土との足を撃ち、これを砕きました。
2:35 こうして鉄と、粘土と、青銅と、銀と、金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところがその像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。
2:36 これがその夢です。今わたしたちはその解き明かしを、王の前に申しあげましょう。
2:37 王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、
2:38 また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたはあの金の頭です。
2:39 あなたの後にあなたに劣る一つの国が起ります。また第三に青銅の国が起って、全世界を治めるようになります。
2:40 第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう。
2:41 あなたはその足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。
2:42 その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
2:43 あなたが鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって、互に混ざるでしょう。しかし鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合することはありません。
2:44 それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これはいつまでも滅びることがなく、その主権は他の民にわたされず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そしてこの国は立って永遠に至るのです。
2:45 一つの石が人手によらずに山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのを、あなたが見られたのはこの事です。大いなる神がこの後に起るべきことを、王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです」。